多分おそらく、100人いれば少なく見積もっても60人はそれを見てこう言うと思います。
『可愛らしい』と。白地に黒の模様を持ったクマにも似た生き物、パンダ。
その愛らしい風貌が女性や子供のみならず老若男女問わず、広くに渡って人気の生き物です。
クマにも似たと先ほど言いましたが、パンダは中国語では大猫熊と言い、れっきとした熊です。
食べる物が概ね、肉食、草食という違いはあれ大きく分けてパンダは熊と同列にいる存在です。竹を主食とするパンダですが、正式には哺乳類食肉目クマ科に分類される生き物です。
例えばツキノワグマ、ヒグマの類は山から街に降りてきては恐怖の対象として怖がられる存在です。
気候変動から元いた住処で食べる物がなく、人里に熊が降りてきては最悪、殺傷の対象にされます。
そんなニュースを聞く事が多い昨今、また別のニュースも聞きます。
パンダが日本から消える。世界的にもパンダの出産事例の多い和歌山白浜のアドベンチャーワールドにいるパンダは6月で中国に返還されます。
同じく東京、上野にいるパンダも来年、2月にはやはり中国に返還されます。
日本人が愛してやまないパンダが日本から消える。そのニュースからGWの間、パンダを見に来る家族連れが多かったと聞きます。
変換と言いましたが、パンダは何も中国から譲り受け頂いた物では決してなく、期限付きで貸与されており、いつかは返還しなけければならない物だそうです。
何を持ってそうした決まり事が生まれたのかは明確には分かりませんが、パンダが日本で初めて来た昔から契約としてそう決まっていたそうです。
毎日、何をする訳でもなく、膨大な量の食料を食べ、後はひたすら寝ているだけのパンダ。食料の竹も上質の物しか食べず、気にいらなければ見向きもしないようです。
そんな彼らを愛してやまない日本人にとって、急遽、発信された変換のニュースには残念な声が広まっています。
日本政府はなんとか次のパンダを貸与して頂けないかと交渉の方向へ動いてるというニュースも聞きます。
もし、仮にそれが叶うとしたら預かる場所は東名阪ではなく北陸、或いはそれより上方の地の動物園へとパンダは送られるのではないか。そんな話も聞きますがまだ全てに渡って未明のものです。
こんな言葉を聞いた事があります。『パンダ外交』。中国が諸外国に向けパンダを寄与する、その代わりとして自国に有益な条件を相手国へと中国は話を進めていくといった物です。
もはや、それはレアアースや金塊といった付加価値のある品と同義になっているようにも思います。ですが例え不利益を伴うそれであっても、おそらく日本はその提示された条件を飲むと思います。
それだけ貴重で希少な生き物。それが白と黒の模様の多くの人々に愛されるパンダの存在価値なのでしょうか。
等価交換。国土も広くまた人材もすこぶる多い中国。レアアースのみならず他の資材も数多にある国。交換条件として建前上は先進国である日本に対してどのような難題を課してくるかはそれは分かりません。
繰り返しますが多くの人々に愛されているパンダ。叶うならそれを穏便に平和裏に譲り受けたい。多くの人にまた笑顔を齎すため。そのためどのような対価と交換かは分かりませんが今、行政は思慮している事と思います。
持つべきものが勝者だとしたなら、果たして同じアジア圏である中国の台頭は現在、世界の中心ともされてる諸外国と肩を並べる日もそれは決して遠い事ではないとも思います。いえ、現時点に置いて中国の存在は世界の中で非常に大きな物となっている。私にはそう思えます。
先にも言いましたが、出来得る限り穏便に平和裏に話す言葉の違う他国と前向きに渉外の途につきたいという切なる想いがあります。他者から他者へのコミュニケーションは何も言葉の交差に限る事だけでなく。思いやりからのギブ&テイク。そこから生まれる物もまたあると思います。愛らしいパンダの姿に今はそれを願うばかりです。