3月、暦の上では春の最中です。世界野球の祭典、WBC。ワールドベースボールクラッシック。
世界の強豪が競い頂点を目指すその戦い。日本時間で3月22日、その早朝から最後の決勝が始まりました。
WBCの第一回、第二回の優勝国、日本。そしてメジャーリーグから選抜された世界最強とされるアメリカ。その二国の対戦になるとは自分は正直、思いませんでした。
昨年、メジャーで二刀流の異名を取り大活躍した大谷翔平選手。そしてダルビッシュ有選手。また、史上最年少で三冠王を取り、王貞治さんの年間ホームラン数の記録を数十年ぶりに更新した村上選手。
現在の日本プロ野球では最速とされる165キロのボールを投げる、若干21歳の佐々木選手。他にも日本のプロ野球からの精鋭が集いWBCに参戦した侍ジャパン。
決勝にいくまでも毎回、凄まじい戦いの末、勝ってきました。点差が大きく開き、もうここまでか?そんな試合の時もそれでも最後は気力で勝利をもぎ取ったそんなゲームを見ては、改めて野球の面白さを教えて貰った気がします。
一時は世界最強と呼ばれたキューバを下し決勝に上り詰めたアメリカ。簡単には勝てない相手だという事は、それほどまでにアメリカのチームが強いという事はメジャーのゲームを見ていても分かります。
結果、互いに総力戦の上、日本は勝ちました。今大会、調子のあまりよく無かった村上選手が前日のメキシコ戦でのサヨナラヒットから開眼、復活したかのように同点ホームランを打ち。立て続けての継投から点差を1点にまで抑え。
終盤はダルビッシュが投げ、そして最終回は大谷選手が登板。ストレート、160キロ以上の剛球でアメリカを抑え、4大会ぶりに日本がWBCの優勝国として君臨しました。
個人のスペックの凄さ。そこからチームを勝ちに持っていく天賦の才を持つアスリートも勿論います。ですが、この大会の勝利はありきたりな物言いですがチームワークの勝利だったと思います。監督を筆頭にした鉄壁の一枚岩。
チームの輪に入りにくそうにしてる若手にも声をかける先輩プレイヤーの姿もテレビで目にしました。毎回、試合前に一人の選手がコメントをするのですが、流暢な話し方であっても稚拙なそれであっても、そこからグランドに出る前のチーム一体の雄叫びは毎回、聞いていて気持ちの良い物だったように感じました。
元気、勇気?そんな何かしらの理屈では無い目には見えないエネルギーをもらいました。たかがスポーツ、されどスポーツ。全力の上限を更に高め、限界の更に限界を突破した侍ジャパン。
チームの結束の難しさと、でもそれを成し得た時のチーム全体の力強さは、見る者にも何かしらパワーを齎す事になる。それは何も野球のみならずの事のように私には思えます。
仕事、学業、部活、恋愛、趣味、等々。真摯に全力で本心から本気の人は、それはもう盲目的に尊敬に値する人なのではないか。そこから他人が得る物もまたあるのではないか。今回のWBCから私はそう感じました。